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メディア掲載   2019.5.29 北海道新聞に掲載されました

和泉さん(旭川)チームで銀賞 女性造園技術者大会

旭川市の一級造園技能士和泉玲美さん(38)が参加するチームが、長野県で開かれた女性造園技術者技能大会(日本造園組合連合会主催)で2位にあたる銀賞を受賞した。和泉さんは米国の医療施設で造園を手掛け、帰国後の出産で気分が落ち込んだ経験を基に、車いすやストレッチャーの人が草木を間近に感じられる「福祉の庭」をデザイン。斬新な発想が高く評価された。

「福祉の庭」斬新な発想 評価

女性のみを対象とした初の大会で4/27,28に開かれ、全国から9チーム18人が参加した。出場チームは2人1組で、縦3メートル、横4メートルの区画に2日間(計9時間)で自由に庭園を造り、技術やデザインを競う。
造園工事業いずみガーデン(旭川)の設計部長を務める和泉さんは、同社の協力会社社員、藤川純奈さん(30・名古屋市)とチーム「北海道いずみガーデン」を結成して出場した。

チームの作品テーマは「自然の命に触れる、福祉の庭」。車いすやストレッチャーに乗った人が、竹のゲートをくぐって、モミジやシラカシに触れられるように設計。車いすから芝生に写りやすいように芝地の高さを40センチにするなど工夫を凝らした。

和泉さんが患者目線にこだわったのは自身の経験がきっかけ。米国で2014年から3年間働き、ホスピスなどの造園を手掛けたことで、庭園が患者の心の支えになることを学んだ。帰国後、旭川で18年2月に長女を出産。産後うつの症状になり、病室や自宅で2週間ほど泣いて暮らす中で、庭園の必要性を実感。「病気の人が自然に触れられる庭づくりを真剣に考えた」と振り返る。

スケッチを含めて図面は約30枚描き直し、大会前、藤川さんと旭川の会社敷地内の一角で3日間、練習を重ねた。本番では想定より土が軟らかく固めるのに苦労したが、ほぼ理想通りに仕上げ、審査員からは「これまでに無い発想」と評価された。

和泉さんは「受賞は考えてもいなかった。病院や福祉施設の多い旭川で広めたい」。義父でいずみガーデンの和泉政義社長(71)は「造園業の歴史が浅い北海道から出場し、受賞できたのはうれしい」と喜ぶ。